2014年6月12日木曜日

■写真とは、娯楽と生活必需品の境目にある不思議なもの。

デジタル写真は高いのか、それとも安いのかという視点でしばらく話を進めてきましたが、正直に言うとその感じ方は人それぞれだと思います。

これは、フィルム写真時代を知っているかどうかではなく、写真というものがもつ性質に起因するものだと思います。

それは、写真とは記録するものだが、記憶するものである、ということです。


『記録ではなく、記憶』


デジタル写真整理術を説明する際、写真の持つ性質について私が必ず使うキーワードです。

これは写真の持つ性質について、記録することは多くの方が認識していてもそれが記憶であることは認識していないことが多いので、敢えてそう言っています。

しかし、実際には写真は記憶も記録もします。

記録道具は生活必需品です。私たちの仕事や生活は記録によって支えられているものが多く、その記録に写真、特にデジタル化した後は写真は大活躍しています。この点では写真は生活必需品と言っていいでしょう。

しかし、私生活では必ずしもそうではありません。旅行や外食、各種行事等で写真は必ずと言っていいほど撮影されますが、それが絶対必要かというとそうではありません。写真が無くても生きていけるでしょう。つまり極端な話、写真とは娯楽品です。

しかし、身の回りに一枚も写真が無い生活を想像してみてください。玄関に飾られたフォトフレーム。本棚に収められたアルバム。パソコンの中に保存された家族の旅行。スマホや携帯電話で撮影した友人との思い出。これが一枚もない生活は、果たして人間の営みとして成り立っているでしょうか。

写真とは、あくまでも娯楽品です。
しかしそこに込められた記憶は、生きていくうえで生活必需品です。
そしてあまりにも普通に身近にあるために、写真の持つ重要性は普段気がつきません。

次回以降、何回かに分けてこの写真が持つ負不思議な性質について解説していこうと思います。


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